2016年7月18日月曜日

ちいさなおむすび屋をつくる-内壁仕上げ!

3月下旬からはじまり、
荒壁塗り(内壁)→裏返し塗り(外壁)→大直し(内壁2回目)→土佐漆喰(内壁仕上げ)と長かった土壁塗り、ひとまず完了となりました!
土づくり、竹小舞掻き、土壁塗りと、一緒に作業してくださった皆様、ほんとにありがとうございます!


最後の壁を塗っていると、熊野古道歩きのおじさんが
「久々に荒壁の土壁をみたよ。こりゃいいねぇ!」と言ってくれました。思った以上に長かった土壁塗りの工程に気が遠くなることもありましたが、やっぱり土壁にして良かった!これまでも、そうやって声をかけてくださった方が何人もいて。その方たちの「いいねぇ」には、きっと温かな思い出があって、どんなものかはわからないけど、その一端に触れられるのが好きだったりします。
ここからは毎回長くなってしまう、土壁についてのお話。今回が最後でしょうか。備忘録も兼ねて。
今回は裏表合わせて4回塗りましたが、土壁は重ねようと思ったらいくらでも重ねられます。おむすび屋はできるだけ土壁らしさを残しながら、素朴な仕上がりで、ということでどんな仕上げにするか悩んできました。外壁については、できれば今の荒壁のままが良かったのですが、雨の多い紀南地方、特に風も強いこの地域では削れていくこと、削れていくこと(笑)。もうひと塗り必要そうですが、こちらはオープン後でも塗ることができるので、ひとまずの完了としました。
内壁は、土佐漆喰に土を混ぜ込んだ半田(はんだ)という方法で、下から1m塗り、仕上げました(正確には半田風)。土壁のやんわりとした表情を残しつつ、土壁の弱点である表面強度の柔らかさを感じさせない方法です。
そして、土佐漆喰、これがまたすごい!
台風の通り道、高知の雨風に耐えられるということで作られたもので、同じく台風の通り道の和歌山としても安心の素材です。
普通の漆喰は、海藻糊(今は科学的な糊を使っているものもあります)を使っているのに対し、土佐漆喰は、もととなる消石灰に、藁を混ぜて、発酵させて、そこで出てくる成分「リグニン(保水力がある)」を糊の代わりにしているそう。そのため、色がベージュなのですが、時間が経つにつれて白くなっていくそう。そして、消石灰も人力で手間暇かけて焼いた「塩焼き消石灰」を使っています。こんな形で、高知の風土に根ざした良いもの出会えるのも嬉しいこと。

Contact Us

名前

メール *

メッセージ *